遊び場・旅行

親子登山のすすめ ~メリットと知っておきたいこと~

ここ最近親子登山の体験記事を書いていましたが、「そもそも親子登山って何がいいの?」という方もいると思いますので、私がすすめる理由や工夫した方がよいことを記事にしてみました。ちなみに、本記事は主に幼児期~小学校低学年の子どもがいる方向けの記事になります。

親子登山のメリット

辛くても頑張ってやり遂げたという成功体験を積ませられる

親子登山をやって実感した一番のメリットだと思っています。ちなみに4歳以上くらいで、できなくて悔しいといった感情が芽生えている子どもが対象になると思います。

登山(特に登り)は、疲れるし、息がきれるし、辛くなって途中であきらめたくなります。でもそこであきらめずに頑張って登頂させることで、子どもに達成感と成功体験を積ませることができます。こういった経験は子どもに自信を持たせることができますし、更なるチャレンジを目指すきっかけにもなります。

人って辛いことにぶち当たってそれを乗り越えたときに成長すると思っています。そういう意味で、登山は小さな試練を乗り越える練習になります。知育はできないものができるようになったという感じですがそれとちょっと違って、辛くてもあきらめずに頑張るところを目の当たりにできます。

また、親がちょっと辛いと思う山であっても、4、5歳の子どもが登れたりするので「え!?自分の子どもはここまでできるの!?」という発見があり、親が勝手に考えていた子どもの限界をブチ壊してくれて楽しいです。自分の子どもを見直しますよ!

運動器を鍛える

ロコモティブシンドローム(運動器症候群、通称:ロコモ)という言葉をご存じでしょうか?ロコモは、骨・関節・筋肉・神経などの運動器の障害のために立ったり歩いたりするための身体能力(移動機能)が低下する症状をいい、以前は高齢者の症状と考えられてきました。ただ、昨今では子どもの運動不足を背景とした「子どもロコモ」が増えているそうです。

子どもロコモになるとどういった状態になるのか、KIDSNAの「【ロコモティブシンドローム】体の使い方を学べない子どもたち」に具体的な影響が書かれています。

驚くことに子どもたちの運動器の現状は、朝礼で立っていられない、物を投げる動作ができない、和式トイレが使えない、雑巾がけができない、転んだときに手を付けずに顔面を打ってしまうなど、基本動作のできていない子が急増しており、少し前の時代には考えられなかったことが起こってきている。


2010年から2013年にかけて行われた小学1~6年生を対象とした埼玉県運動器検診によれば、バランス力や柔軟性を図る4項目のうち、1つでも問題のある生徒は全体の4割を超えていたそうです。また、2016年から小学校1年生から3年生まで運動器検診が必須化されるほど子どもロコモは深刻化しているそうです。

こういった事態を避けるために、子どもに運動をさせることはとても大事であり、特にどんな運動でも重要となるボディバランスや体幹を鍛えるのに不整形地を歩く登山はとてもいい運動になります。

この点に関してはAkimama「【連れださない理由がない!】専門家に聞いた「子どもの成長と自然遊び」の深すぎる関係(山と海の注意点付き)」の記事も参考になりますので是非読んでみてください。

 

大自然に触れられる

近所の公園に行っても自然はあるし、生き物もいっぱいいますが、やっぱり山の自然はレベルが全然違います。山で美しい大自然に囲まれて、新鮮な空気を吸うのは本当に気持ちがいいです。それに普段住んでいるところでは見られないような色々な植物や生き物も見ることができます。

有給を取って自然のある場所に旅行する人も多いと思いますが、仕事でコンクリートジャングルにずっといると本能的に自然が見たくなるんじゃないかなと思います。偉大なる自然パワー!(別にスピリチュアルなことに興味はありませんが)

どうせ運動をするなら気持ちのよい場所でやった方が楽しいですしね☆

 

あきらめないで登りきれるか

登山にメリットは色々ありますが体力的には疲れるので、興味がなければただの苦行です。なので、いかに興味を持たせて飽きさせないで(あきらめさせないで)最後まで辿り着けるかが大事になります。
子どもが疲れたと言って登らなくなったときに「甘えるな」と厳しくして最後までやりとげさせることも否定はしませんが、興味がない段階でそれをやると山嫌いになる可能性もあるので、始めのうちは子どもが興味を持つようなやり方を取った方が良いと思っています。私の体験ベースで、こうすれば子どもが飽きにくいという方法がいくつかあるのでご紹介します。

 

子どもの友達と一緒に行く

これが一番効果的かなと思います。友達と行くことで、お互いが刺激になって、途中であきらめにくくなりますし、話ながら歩くので道中で飽きにくくなります。自分の家族だけだと子どもは甘えますし、親も「甘えるな」と厳しくなりがちなので、特に初めての親子登山の場合は友達と行くことをおススメします。

ちなみに友達は必ずしも年齢が一緒でなくても大丈夫です。年上の子は年下の子の見本になるように頑張りますし、年下の子は年上の子に頑張ってついていこうとします。また、友達だけではなく、兄弟・姉妹でも同じような効果はあるので、子どもが複数いる環境で挑戦してみましょう。

 

生き物や植物を探す・調べる

ずっと歩き続けるのは退屈といえば退屈なので、道中で生き物や植物を見つけたり、それが何かを調べたりすると楽しめます。普段身近にいるものから山ならではのものまで、色々な生き物が見れるのですごく面白いですよ。

 

また、山には沢があるところも多いです。沢は石を拾い上げるとカニ、ヤゴ、カエル等生き物がたくさん見れますし、石を投げたりするのは子どもは大好き(注:人がいないところでやりましょう)なので、沢があったら休憩がてら寄ってみましょう。ちなみに、沢は事故も多いので、できるだけ足場のよいところや流れが弱いところを選んでいくようにしてください。

 

下山から始めて山に興味を持たせる

登りは疲れますし息も上がるので嫌がりやすいです。そんなときは下りから始めてみるといいと思います。
下りは障害物競走みたいなゲーム感覚で歩け、心肺への負荷も低いので、楽しんで歩けます。興味を持たせるためにまずは楽しむところから始めてみましょう。

上の子が2歳半のとき、初めて登山をしましたが、登りを2、3分歩いたところで「疲れた」と言って動かなくなったので、ロープウェイに乗り、そこからの下りから始めました。そうしたところ、下りは面白かったみたいで、また山に行きたいと言ってくれました。その後は「ここ頑張って登ったら下りで遊べるよ」と言ったりして、ジョジョに登りもできるようになったので、登山のスタートとしておススメです。

 

あらかじめ考えておいた方がよいこと

登山時間はコースタイムの倍くらいみた方が良い

子どもの登山スピードは大人と同じではないですし、休憩もきちんととった方がよいので、登山時間は余裕を持ってみておいた方がいいです。我が家の経験でいうと、山のパンフレット等に記載されているコースタイムの倍くらいかかりました(5歳の子どもとの登山の実績です)。

 

移動時間を考慮した無理のない旅程を

山はアクセスがあまりよくない場所が多く、電車+バスという移動や車で高速のICを降りてからしばらくくかかるということも珍しくありません。
大人、子どもともに、旅行でストレスを感じるのは移動です。なので、1日で長い往復の移動をすると登山の疲れと相まってどっぷり疲れてしまうので、宿泊旅行と合わせることも検討した方が良いと思います。
私の理想としては、前泊して翌日朝から登山、昼過ぎに帰りはじめ、帰りの移動で子どもは昼寝です☆

 

親子登山におすすめの場所

最後に親子登山でおススメの場所をご紹介します。我が家で親子登山で行った場所だけでなく、行ったことはないですが親子登山として推奨されている場所も含めています。
(コメントはかなり主観的ですがご容赦ください)

山名 コメント 参考URL
我が家で親子登山をした場所
高尾山
(東京都)
・標高差120~400m
※ケーブルカー利用で変わる
・都内からアクセスがよく、日帰りでもOK
・3歳くらいから登頂を目指せるコースや下山のみのコースもあり
https://nature.ygj.jp/2020/10/15/takaosan-tozan/
筑波山
(茨城県)
・標高差600m
・都内からだと日帰りはきついので宿泊を推奨
・4歳で登頂できたケースあり
https://nature.ygj.jp/2020/09/25/tsukuba-2nd/
親子登山として推奨されている場所
丹沢 大山
(神奈川県)
・標高差600~950m
※ケーブルカー利用で変わる
・初心者向けの山としてはやや難しめ
https://www.yamagirl.net/guide/752/
丹沢 南山
(神奈川県)
・標高差370m
・電車だとアクセスがよくないので車推奨
・周辺にあいかわ公園という大型公園あり
http://jac.or.jp/oyako/f17/a14KNG030s.html
宝登山
(埼玉県)
・標高差380m
・都内からだと日帰りはきついので宿泊を推奨
・山頂に小動物公園あり
https://www.yamagirl.net/report/11493/

 

親子登山は登山中の大変さはあるかもしれませんが、登れないかもなと思った山を子どもが登頂したときの喜びはこれまで感じたことがないくらい嬉しかったです。是非皆さんも一緒にチャレンジし、楽しんでみてください☆